ダマスカス包丁とは
こちらの写真のような積層模様の包丁をダマスカス包丁と呼びます。
名前の由来は「中世のダマスカス(現在のシリアの首都)で作られていた伝説の刀剣に模様が似ている」というところから来ており、複数の異なる鋼が重なる事でこのような模様が現れています。
この見た目の美しさからまず海外のユーザーの間で注目され、それが”日本の包丁ブーム”のきっかけにもなったのですが、今では日本国内での知名度も上がり高級包丁の代名詞として人気が高まっています。
英語ではDamascus knife、スペイン語ではCuchillo Damascoと呼ばれ、ダマスカス包丁という呼び名は世界共通のものとなっています。
ダマスカス鋼はクラッド材の一種
性質の異なる複数の鋼材を重ね合わせて作られる鋼材をクラッド材と呼び、クラッド材には以下のような種類があります。
(参考画像:武生特殊鋼より)
これらのクラッド材で作られた包丁には、刃先から5mm~1cmくらいのところに波線(刃境線)が現れます。↓
この波線(刃境線)がクラッド材で作られた包丁の証で、海外の包丁には見られません。日本の包丁ならではの特徴です。しかし近年では中国のメーカーもVG10やAUS10などの日本のクラッド材を輸入して包丁を作る事がありますので、そのような包丁にも日本のものとおなじ刃境線が現れています。
このように性質の異なる素材を正しく合わせる事で、強靭性、耐久性、などの複合特性をもつ上質な鋼材を作る事ができ、それが世界に誇る日本刃物の品質の一端を支えています。
ダマスカス包丁の切れ味
多層鋼だから切れ味が良くなるという事ではありません。しかし多くの場合ダマスカス包丁の切れ味は良いです。
芯の部分にどんな鋼材が使われているかによって切れ味は決まります。
ダマスカス包丁の芯には主に武生特殊鋼材のVG10や愛知製鋼のAUS10などの硬度の高い鋼材が使われており、その為切れ味も良いです。ダマスカス包丁は見た目も良いですが、機能面でも優れたものが多いです。
ダマスカス包丁の模様について
同じ鋼材から作っても製作工程によっていろんな模様が現れ、それもダマスカス包丁の魅力の1つとなっています。
このダマスカス包丁の模様ですが、砥石で研いでもなかなか美しく現れる事はありません。メーカーや職人によりやり方は違いますが、代表的な方法としてはサンド・ブラストと言って細かい砂を強く吹き付ける事によってこの模様を浮き出させています。鋼ごとの硬度の違いによって模様が現れるようです。
お勧めのダマスカス包丁
当店でも沢山ダマスカス包丁をお取り扱いしておりますので、お勧めのものをご紹介させて頂きます。ダマスカス包丁は見栄えがするのでプレゼント等にもぴったりです。